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【電通問題】残業時間制限を法律にするなら「休憩時間」という抜け道をつくるな

今月初投稿である。電通ほどではないが、仕事がかなり忙しい。なので、残業時間のことを書こうと思う。「1年の半分以上は時間外労働時間が80時間超」を強いられている当事者としての意見を述べたい。

 

電通「鬼十則」 (PHP文庫)

電通「鬼十則」 (PHP文庫)

 

 

なお、私は全くの法律の素人だ(税理士の勉強してるときに商法いくつかは覚えたけど)。また、「残業時間」「時間外労働時間」などと表記の揺れはご容赦いただきたい。

ざっくり言うと、労働基準法で本当に国民の健康を守りたいのなら、以下3件を満たすべきだ。
(1)毎月の残業時間、年間の残業時間の上限を明確にすること。
(2)残業時間帯(普通の企業だと18時以降)の、会社が勝手に決める「休憩時間」を制限すること。
(3)最終退出時刻から、翌日出勤時刻の間隔を開けることを明確にすること。

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(1)残業時間の上限を明確にすること。

これは言わずもがなである。
法律を整備するなら、過労死ラインとされている「毎月の残業時間80時間を上限とすべき」と言われているそうだが、「80時間」は死の間際ラインみたいなものなので、労働者としては全く賛成できない。
ただし、業種や職種によって「繁忙期」があるのも事実だ。なので、たとえば「残業時間は年間400時間(月33.3時間)を超えてはならない。毎月の残業時間は80時間を超えてはならない。」とか、毎月と年間で制限を設けるべきだろう。
まあ、これは現状の労働基準法でもあるのかもしれんが。

 

(2)残業時間帯(普通の企業だと18時以降)の、会社が勝手に決める「休憩時間」を制限すること。

これがミソである。
残業というのは、あくまで個人の裁量で休憩をとるべきだろうと考える。たとえば、私の現在のプロジェクトは、勤務時間は9:00~18:00(12:00~13:00が昼休み)だ。これは至って普通なのだが、18時以降の稼働の考え方が酷い。
・18:00~19:00は、休憩時間
・21:00~21:30は、休憩時間
・23:00~23:30は、休憩時間
:(以降延々と続く)
なお「休憩時間を返上して働いたは認められない」のだそうだ(法律としてどうかは別)。「1時間残業すれば仕事が片付く」というときに、「19時までは休憩時間だから19:00~20:00で仕事しよう」とは思わない。普通はさっさと帰りたいのだから、18:00~19:00で仕事するだろう。

別に今のプロジェクトの文句を言いたいのではなく、上記が「法律の抜け道」となってしまうということを言いたい。極端な話をすると、(1)だけ法整備したとしても、企業が「うちは18:00~20:00は休憩時間」のような宣言をしてしまうと、「いじめ0件」と同じかどうかは分からないが、「残業時間」は目に見えなくなるだけなのである。

もう一度言うが、残業というのは、あくまで個人の裁量で休憩をとるべきだと考える。これをどのように法整備するのかは分からないが、「残業時間帯の休憩時間の強制は禁止」とすべきである。

 

(3)最終退出時刻から、翌日出勤時刻の間隔を開けることを明確にすること。

これはシンプルな発想で、例えば「最終退出時刻から、翌日入出時刻までは、11時間以上空けること」のような制限だ(今日23時まで働いた人は、翌日は10時よりも前に出勤してはいけない)。どっかのブログで読んだが、ヨーロッパのどこかの国ではすでに採用されているとか。
国民の健康を大切にするなら、ぜひとも取り入れて欲しい。

 

(4)(おまけ)有給完全消化制度

問題としてゴチャゴチャしそうなので分けて考えた方が良いが、有給も完全に消化させる制度とすべきである。一部の企業では「買い取り」などしているそうだが、いずれにせよ「時間が来ると自然消滅」というのは理にかなっているとは思えない。
その代わり、たとえば祝日を少しだけ減らすなどして調整するのはアリだと思う。

 

最後に

さて。いろいろ書いたが、ここまで労働者よりの法整備をすると、企業の業績だけでなく、国の経済にも影響がでるかもしれない。
だが、それでいいと思う。
「企業の業績よりも、国の経済よりも、人の命が大切」というのが分かっているのに、それを行動しない現在がおかしいのだ。

 

 

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